深沢俊太郎

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《醒世姻縁伝》研究!
ごうりきみちのぶ著「まっくらけ」!


深沢俊太郎の部屋
Shuntaro Fukasawa
「醒学」(醒世姻縁伝研究)


■醒学二号:醒世姻縁伝に見る登場人物
1)主な登場人物
2)晁家一族と関係者
3)狄家、薛家関係者
4)市井の人・市井の徒
5)官人(お役人)
6)神仙、道士、僧侶、尼姑
7)主な歴史上の人物

(1)主な登場人物:
ちょうたいしゃ ちょうげん
晁大舎 《chao2da4she4》 (晁源) ……  妻を顧みず娼婦上がりの女を囲う、人妻との情事、恩人を欺くなど数多の事件を引き起す派手好き遊び好きの男。前章での主人公。(大舎=国子監生員に対する尊称)
ちょうしこう
晁思孝 《chao2si1xiao4》 ……  晁源の父。晁源を溺愛する親バカ。運に恵まれ華亭県知県におさまるが、やがて強力なコネを得て通州の知州となり私腹を肥やす。退官後小間使いの春鶯(しゅんおう)を妾にして間もなく病死する。
ちょうふじん ていし
晁夫人 《chao2fu1ren2》 (鄭氏) ……  晁思孝の正妻。賢徳の夫人。

けいし
計 氏 《ji4shi4》 ……  落ち目となった旧家の娘。晁源の正妻。

けいしょし けいと
計処士 《ji4chu3shi4》 (計都) ……  計氏(けいし)の父。武城県の旧家の出。

けいばら けいきさく
計巴拉 《ji4ba1la1》 (計奇策) ……  計氏の兄。

ちんか しし
珍 哥 《zhen1ge1》 (施氏) ……  芝居一座の娘役で客も相手にする娼妓。晁源に見初められ妾となる。美形ではあるが狭量のはね女。
しゅんおう きしゃ
春 鶯 《chun1ying1》 (喜姐) ……  仕立て屋沈善楽(しんぜんらく)の娘、十才の時に晁夫人に買われ小間使い女中として晁家に入る。十六の時、晁思孝の妾となり沈姨(しんい)、沈姐(しんしゃ)などと呼ばれるようになる。幼名小和尚(晁梁(ちょうりょう))を産む。
ちょうりょう
晁 梁 《chao2liang2》 ……  晁思孝の遺児。眉目清秀の若者。十七才で姜副使の末娘姜氏(きょうし)と結婚するも、新婚初夜から晁夫人の傍を離れないマザコン。幼名小和尚。
けいこうもん けいしん
?皋門(けいこうもん)
《xing2gao1men2》 ?宸(けいしん)
……  晁思孝の顧問となるが、やがて思孝父子の無軌道振りに愛想をつかし去って行く。古書、史書に通じた才人、後、北京兵部侍郎に昇任する。
ようたいい ようこげつ
楊太医 《yang2tai4yi1》 (楊古月) ……  街では有名な朦朧医者。晁源とウマが合い病気といえば招かれる。珍哥とはかつての馴染み。
うめいご うしょうせん
禹明吾 《yu3ming2wu2》 (禹承先) ……  屯田を管理している道台役所の胥吏(しょり)(書記)。晁家の向いに住み、晁源とは親しくしているが、珍哥ともよろしくやるちゃっかり男。
こうしそう
高四嫂 《gao1si4sao3》 ……  晁家の隣人。度胸も有り弁もたつ虎婆さん。
しょうほくせん
蕭北川 《xiao1bei3chuan1》 ……  腕利きの婦人科医。酒好きがもとで、せっかくの腕を持ちながらも貧乏暮しをしている。
こたん
胡 旦 《hu2dan4》 (胡君龍) ……  錦衣衛蘇都督の娘の子。芝居一座の正旦(むすめやく)。従兄の梁生と共に晁思孝の出世の糸口を作る。のち僧となる、法名《無翳(むえい)》。通州香岩寺五代目住持。
りょうせい
梁 生 《liang2sheng1》 (梁安期) ……  劉錦衣の甥っこ。芝居一座の生脚(おとこやく)。胡旦と同様の運命をたどり、僧となる、法名《片雲(へんうん)》。
ちょうじゅう
晁 住 《chao2zhu4》 ……  晁思考が官員になってから雇い入れた家人。晁大舎(晁源)に気に入られ、銭の出し入れなど凡そのことを任せられている。珍哥とは昔馴なじみ、ワケのある仲。
かくにこ
郭尼姑 《guo1ni2gu1》 ……  小青梅(海会)と行動を共にする尼。相手の顔色を読むにすこぶる長けた口上手の利口者。色白くぽっちゃり肥えていて見かけのいい女。
ちょうずいふう
晁瑞風 《chao2rui4feng1》 ……  武城県役人。刑房の書記で牢を管轄する典獄役を勤める。《臭虫》(なんきんむし)とあだ名され、色のためには命も顧みないという男。
しょうあじ
小鴉児 《xiao3ya1er2》 ……  靴底張り職人。身の丈は八尺を越える男。女房唐氏と晁大舎(晁源)の不義密通現場で二人の首を切り落とし殺害する。
ちょうしさい
晁思才 《chao2si1cai2》 七?
……  晁家とは遠い親戚にあたる。晁思孝と世代を同じくする年下の男。礼節をわきまえぬロクデナシ。
ちょうむあん
晁無晏 《chao2wu2yan4》 (二官児) ……  晁思才の舎弟。思才同様、無頼の輩。妻孫氏の死後、後釜に子持ちの郭氏を迎える。
しょうれんか しょうちゅうそう
小l哥 《xiao3lian3ge1》 (晁中相) ……  晁無晏の一人息子。無晏の死後、晁家で育てられる。晁冠の良き助け手となる。
てきいんがい てきそうう
狄員外 《di2yuan2wai4》 (狄宋羽) ……  山東明水鎮に住み、住居の隣りに旅店を開いている。実直老成の人で往来する人はみな狄員外と員外の敬称をつけて呼んでいる。四十四歳にして長男希陳を得る。《員外》は《員外郎》の略で、定員外の官職につける称号。
てきふじん
狄夫人 《di2fu1ren2》 ……  狄員外より三つ年下の女気丈夫。相棟宇(そうとうう)は弟。
てききちん
狄希陳 《di2xi1chen2》 (狄友蘇) ……  晁大舎(晁源)の死後、終章までの主人公。いたずら好きで剽軽な男。結婚した素姐の美形と体から離れられずにいる明水鎮筆頭の恐妻家。
こうしゃ
巧 姐 《qiao3jie3》 ……  希陳の妹。薛如兼(せつじょけん)と結婚後、姑に仕えること自分の両親のように婦道を尽くす賢恵誠実の女。
せつきょうじゅ せつしん
薛教授 《xue1jiao4shou4》 (薛振) ……  山東証(えん)州府学の教授をしていたが青州衡府の講読官に昇任し赴任途中、狄員外と知り合う。衡府学に八年勤めたが勤務査定時、上司と仲がまずくなっていたことから辞官引退に追いやられる。退官後、狄員外の世話で明水鎮に移り住み、呉服店を開く。実直な老成の人。
そしゃ
素 姐 《su4jie3》 ……  薛教授の長女。捐夫人が《素衣》(白衣)の仙女が室に入って来るのを夢見たその日、第二夫人龍氏が産んだので、素姐と名づけられる。顔は観音菩薩のような美貌の持ち主。希陳との結婚後、心情も振る舞いも強情を極める女と豹変する。
りゅうし
龍 氏 《long2shi4》 ……  薛教授の妾。素姐の生みの母。

せつじょべん
薛如卞 《xue1ru2bian4》 ……  薛教授の長男。連才挙人(連春元)にみこまれ、その娘連氏と結婚する。幼名春哥(しゅんか)。
せつじょけん
薛如兼 《xue1ru2jian1》 ……  薛教授の次男。狄員外の娘の巧姐と結婚する。幼名冬哥(とうか)。
せつさいとう せつじょこう
薛再冬 《xue1zai4dong1》 (薛如衡) ……  薛教授の三男。

そううてい
相于廷 《xiang4yu2ting2》 (相觀皇) ……  老成したおとなしい人物。進士に合格、殿試では第二甲で工部主事の官職を賜る。希陳の従弟(いとこ)。
そうとうう
相棟宇 《xiang4dong4yu3》 ……  相于廷(そううてい)の父親。

ていらくう ていえいさい
程楽宇 《cheng2le4yu3》 (程英才) ……  狄希陳、相于廷、薛如卞、薛如兼らの家庭教師。息子の程雪門(せつもん)は、後に狄希青(小翅膀)、狄振先(小京哥)の師となる。
れんきょじん れんしゅんげん
連挙人 《lian2ju3ren2》 (連春元) ……  程楽宇の妻の兄。薛如卞(せつじょべん)を見込んで娘の連氏を嫁がせる。息子は連城璧(れんじょうへき)(連趙完(れんちょうかん))。
おういろ おうちょうう
汪為露 《wang1wei2lu4》 (汪澄宇) ……  県学の増広生員。父の後を継ぎ、教学によって家を興し裕福となると片手間に高利貸しを営み本業を忘れる無法無頼のよく肥えた大男。希陳少年時の教学の先生。
そんらんき
孫蘭姫 《sun1lan2ji1》 ……  希陳が初めて関係を持つ妓女。立ち居振る舞いのハキハキと手ぎわのよい窈窕たる佳人。希陳は?突泉(ほうとつせん)西の花園傍で知り合って以来、相思相愛の関係に陥る。
とうしち とうゆうぎん
童 七 《tong2qi1》 (童有ァ) ……  銀細工を家業とする太鼓腹の大男。いっ時の繁栄昌盛も味わうが失敗し倒産。あげく、朝廷に飼われている象の飼料納入商に命ぜられ末行き詰まり、冤罪を訴える書状を懐に象舎飼料を司る戸部河南司主事宋平函(そうへいかん)私宅の門前で自縊する。
とうふじん
童夫人 《tong2fu1ren2》 ……  童七の妻。寄姐の母親。口達者で頭の回転が早く、男まさりのやり手。人好かれのする粋ないい女。兄は錦衣衛の軍官校尉駱有莪(らくゆうが)。父は毛皮細工師の駱佳才(らくかさい)。
きしゃ
寄 姐 《ji4jie3》 ……  童七夫婦の長女。眉目清秀の娘。狄希陳の妾となり、小京哥(きょうか)(狄振先(しんせん))、小成哥(せいか)(狄開先(かいせん))を産む。素姐の死後、希陳の正妻となる。
ちょうこう
調 羮 《tiao2geng1》 ……  童夫人の世話で料理女中として狄家に入る。大柄で力があり、凡その事に有為有能。のち狄員外の第二夫人となり、小翅膀(ちぼう)(狄希青(きせい))を産み劉姐(りゅうしゃ)と呼ばれるようになる。
こうちょうどうば
侯、張道婆 《hou2,zhang1dao4po2》 ……  明水鎮東はずれにある三官大帝廟で道教を看板に邪道を説く二人のヒキズリ女。素姐(そしゃ)を極上の金づると見込み接近する。
とうほふう
ケ蒲風 《deng4pu2feng1》 ……  星宿と禽獣による占いをし、希陳から大財を騙り取るペテン占師。閨房術を売り物にする色男。
ちょうもじつ
張茂実 《zhang1mao4shi2》 ……  希陳(きちん)の同窓生。学問をやって来たがしょせんものにならないと自ら悟り、元手を工面し南京反物を扱う店を出す。
ちしゃ
智 姐 《zhi4jie3》 ……  張茂実の妻。実家は希陳家の隣人。子供の頃から希陳をよく知る女。母親は《林嫂子(りんそうし)》。
りおう
李 旺 《li3wang4》 ……  張茂実の店の?計(手代)。

はくこし
白姑子 《bai2gu1zi・》 ……  蓮華庵の尼姑。素姐(そしゃ)から百十両銀もの財をせしめ独り占めする女。
がいかいし がいぜんせん,まんらつ
艾回子 《ai4hui2zi・》 (艾前川、艾満辣) ……  済南府西門外に住む外科医。もっぱら毒薬を使って傷口を悪くしておいてから銭のことをもち出し治療を始めるという悪辣医者。
ちょうきょうせん
趙杏川 《zhao4xing4chuan1》 ……  艾前川(がいぜんせん)に代り希陳の刀傷を治す外科医。堂々とした体躯で陽に焼けた顔、鼻下と頷に黒々とした鬚を生やしている。
ちんじゅ
珍 珠 《zhen1zhu1》 ……  寄姐の身の回りの世話をする小間使い女中。希陳は好意をもって接するも、寄姐と折り合い悪く、結局自縊する。
いび
韋 美 《wei2mei3》 ……  狄家の料理人呂祥(ろしょう)を供に希陳を追って家を出た素姐が、行李と騾馬を呂祥に持ち逃げされ路頭に迷うところを救う淮安に住む善人。
しゅうけいよう しゅうきしん
周景楊 《zhou1jing3yang2》 (周希震) ……  湖広道州の出身。同郷人である郭(かく)将軍(郭威(かくい))の幕賓。郭将軍が成都衛軍に命ぜられ同行するのを機に、折りよく成都府経歴官に任ぜられた希陳の顧問も引受け、希陳を大いに助ける。
ごけいちょう ごいぎ
呉刑庁 《wu2xing2ting1》 (呉以義) ……  成都府での希陳(きちん)の上司。荷葉(かよう)(馬纓(ばえい))と南瓜(なんか)(孔檜(こうかい))二人の妾を持つ伊達男。希陳とウマも合い希陳に劣らぬ恐妻家。


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