中国側が品物を船積みした後、船会社より発行されるB/L(船荷証券)、これを中国語ではといいます。中国側のシッパーは、あなたが開設したL/C(信用状)上で要求する書類――一般的には「インボイス」、「パッキングリスト」、「産地証明」などに、そのB/Lをそえて、自分の会社の取引先銀行に持ち込むと、お金が入ることになります。こうして、中国側の銀行に出された船積書類は、日本側のL/C開設銀行に郵送されて来ます。しかし、現状では、それの届くのが遅れるというのが、普通となっております。つまり、品物を積んだ船が、船積書類より早く日本に到着してしまうという現象です。ですから、書類が来ていないために、折角、早く港に着いた貨物を、目の前にしながら、引き取る手続きを進めることができないわけです。
そこで、オリジナルの船積書類がなくとも、貨物の引取りのできるL/G(Letter of Guarantee:荷物引取保証)通関が、ごく普通に中国貿易では、行われることになります。このL/G通関を行うには、中国側シッパーに、協力してもらわねばなりません。
つまりインボイス、パッキングリスト、B/L、のそれぞれのコピーをファックスで、事前に、送ってもらっておかなくてはいけません。ただし、産地証明は、オリジナルでなくては、免税処置がとれませんので、この通称「フォーム A」と呼んでいる「原産地証明書」をあらかじめ、別送してもらっておくことも大切です。この、、の書類のコピー、それとL/G申請書と銀行にある「輸入担保荷物引取保証書に対する差入証」を用意して、L/Cを開設してもらった銀行に持ち込むと、L/Gが発行されます。これを通関業者に、、のコピーとともに渡します。ここのところで、原産地証明(フォームA)が必要となりますので、このタイミングの時までには、これを用意しておく必要があるわけです。
こうした書類の流れを、理解していないシッパ―が、おりますので、相手側の担当者には、十分これを知っておいてもらわねばなりません。一度や二度いったところで、「問題ない!」と一蹴されるのが通例ですので、要注意です。「問題ない!」といわれても、まともに受けずに、確認の上に確認を、します。「問題ないというのが、問題なのだ!」と切り返すくらいの意気込みをみせることです。正しく「言うは、言わぬに勝る」というワケです。
「話があるなら分かる人に話せ、飯があるなら飢えた人にあげよ」
こういう俚諺に出合うと、シビレます。中国ノオ方ニモ、シビレテ欲シイノデスガ……ね。
ほか、中国側シッパーと信頼関係が、すでに確立されている場合、と呼ばれる方法があります。これは、の略称で、「船会社が、船を出した後、指定貨物が確かに積み込まれたことを、テレックスなりファックスで、目的港の代理店に通知し、貨物到着後、荷受人に貨物を即引き渡すよう指示通知したことを意味します。このB/L上には、「SURRENDERED」とか「TELEX RELEASE」という英文文字が、打印されて来ます。このB/Lをシッパー側からファックスで、あらかじめ受け取っておくと、これで、即、通関に入ってもらうことが出来るので、便利です。船会社から来るアライバル・ノートには「元地回収済み」と謳われています。これは、つまり、シッパーの依頼で、オリジナルのB/Lは、船会社自身に"引き渡し"されている、これが「SURRENDERED」といわれるもので、船会社側からすると、元のB/L、つまり、オリジナルのB/Lは、すでに"回収"している、ということ。これですと、オリジナルのB/Lが到着するのを待つまでも無いので、便利といわれる所以です。
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