我が日本の俗諺にある"昔の歌は今は歌えぬ"(「古いものでは現在に通用しない」の意)をもじって標題のタイトルにしてみました。字面のままの意味にとってもらいましょうか。筆者が、初めて、中国を訪ねたのは、昭和49年、1974年の春でした。そのころは、中国へ行ったら、やってはいけない、言っちゃならない、イワユル禁止事項が、ケッコウありました。そのせいでしょうか、華僑の人を除いて、日本人は、みなが皆、シズシズ、粛々(しゅくしゅく)と、それなりに、厳粛神妙に、していたように、記憶します。
一、 支那、レッドチャイナ、大陸。
二、 満州、奉天、新京。
三、 女性に必要以上に馴れ馴れしく接したり、身体に触れてはいけない。
四、 ホテル、レストランのウェートレスにも平等な立場で接すること。
そして、
「昔の歌は歌ってはいけない」
がありました。
などの歌でした。
今や、中国のカラオケレストラン、バーにはこうした、かつて禁止されていた歌が、用意されており、客も接客の女性も、堂々と歌っているのですから、中国も変わりました。昔の歌は「今」は歌えるのです。もっとも、今の若い人は、このような古い唄なぞ、歌うことは、まずない、でしょうが。ま、下にあげる句は、覚えておいてよいでしょう。
「浮雲万変、世事すべからく定まらず」
「天に不測の風雲有り、人に旦夕(たんせき)の禍福有り」。
人間万事塞翁が馬、イイこともあれば悪しきことも起こる、楽有れば苦有り、苦有れば楽有り、有為転変、人生、不測の事態の発生はつきもんでしょう、と自らをも慰めるこの成句は有名です。
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