中国での贈収賄事件は、毎日、どの新聞でも、必ず、どこかに出ている、と、云っていいほど、日常茶飯事です。もっとも、中国の場合は、ミセシメ的なニオイがしないでもないのですが、まあ、どこの国でも、似たりよったりの事件は、あるものです。そこで、「賄賂」に関する俚諺を調べた中で、
というのに、いきあたりました。
これは、「賄賂を使うなら、上の役人より、下の役人に使うがよい」という意味で、つまるところ、『実務』をしている人にヤルのが、より効果的、ということを指摘したコトワザです。これには、頷けます。その昔、小商人としての筆者も、コレを時に、実践していただけに、この俚諺を見つけたときは、「ホホウ!」と独り、ガッテン、納得したものでした。しかし、賄賂っていうやつは、浮気や不倫などと同じ?で、どこの世の中にも、よくあることなのですが、同一人物には、長く続いたためしがないのが通例です。無論、例外も、あるにはあるのでしょうが、これは、ヤル相手が変わり、また起こっては、また替わる。こうして、次から次と起こり、性懲りもなく、断々続々と行なわれていくのですから、人間の性というのも、なかなかシブトイというか、タイヘンなものです。しかし、こうした行為は、しなくともよい余計な気を使わなければならず、知らず知らず、神経を麻痺させ、結局は、疲れ、自ら心身ともに、すり減らして行くことになるワケですから、そんな面倒な賄賂なんぞ、出したり、もらったりしないですむ方法を初めから採らなければいいのですが、昔の中国貿易も、今の中国貿易も、どうも「杓子定規的」には行かぬ、おおらかな部分といっていいのか、曖昧模糊といっていいのか、ま、不透明な部分が多々あるので、ヤッカイです。これも、過渡期のコトよ、とかたづけていいのか、筆者には分かりませんが、こりゃ、中国さん相手じゃ、永遠に続くものだワイ、と看た方がイイのかもしれません。
ただ、
「紙に火は包みきれるものではない」
の喩え通り、過ぎたことをすれば、自ずとホコロビは出るものですから、分別は、なくしてはなりません。なにごとも、「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
「一つ二つはあっても、三つ目四つ目はあるものではない」
今や、名実ともに"刺される"時代です。この俚諺を肝に銘じておきましょう。
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