標題の諺は「長い間、経験を積んだ人を尊ぶべきである」という喩えですが、これに当たる中国語は、憶えておいてよい、正(まさ)しく、ぴったりの俚諺があります。それが、
です。この俚諺の全句は、
「生姜(しょうが)は、古いものが辛(から)い、人は、年取った人がよい。すべからく好(よ)くやろうと思うなら、まず、三人のお年寄りに聞くことだ」
で、出だしの句が一般的に知られています。もののついでです、全句を憶えておきましょう。これは、経験を積んだ年長者を立てる句ではあります。が、しかしです、商売の場合、現場から離れてしまったイワユルその道の"経験者(ベテラン)"というのは、あまり役立たない、というのが筆者の実感としてあります。それはさておくとして、その昔、北京で、友人から《姜》という姓の人を紹介されたときでした、ボクは、とっさに《姜是老的辣!》の《姜》ですか? と聞き返すと、相手に非常に喜ばれ、感心されたことを憶えています。ただそれだけのことなのですが、その日以来、その姜(きょう)さんからは、好意的な眼差しで看られている自分をずっと感じていたことでした。
中国の人々は、姓をいうときには、自分の姓を名乗ったあとで、例えば:
というように、字をバラして発音して云ったり、ごく一般に知られた名を出したりして表現したりします。
ちなみに、筆者の場合は、まずといってから、
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(シンセン)の深(シン))、
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(毛沢東の沢)というと、相手に正確に伝わります。
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あなたも、自分の名をいうときに、自分なりに工夫してみては、いかがでしょうか。
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世代交代の激しく進む現在の中国企業には、のきなみに三十代四十代の工場長が、社長ら、が誕生しております。経験者、専門家を自認自称する長老らは、潔く退き、新しい人を現場に送り込む英断をしなければ、新しい発想の転換は、生れようはずがありません。この稿では「老兵は去るのみ」と強調しておきましょう。
エッ? 「なんのナンノ、まだまだ、若いもんにゃ、負けられんワイ!」ですか?
イヤイヤ、
「元手を投じなければ、利は生れない、古い者が去らねば、新しい者は育たない」
というヤツがあります。
ま、ココはコトワザの謂いを聞き、黙って去りましょうや……ね?!
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