深沢俊太郎

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深沢俊太郎の部屋
Shuntaro Fukasawa
新中国いろはたとえ歌留多


「新・新中国いろはたとえ歌留多」
(連載/月二回/毎月10日と24日更新)
No.11 2005年7月24日
新中国いろはたとえ歌留多:連載No.11
 私事ながら、オツな列車の旅、あの「オリエント急行」からユーロースターに乗り継いで、ロンドンに着いたのは、かれこれ、ひと昔ほど前、1996年の10月11日(金)のことでした。幸運なことに、滞在三日間は、インディアンサマーばりの、いい天候に恵まれ、ケンジントン公園とハイドパークのすばらしさを、夫婦して、のんびりと、タンノウしました。あんなに広大な公園が、市内にいくつもあるロンドンは、実にウラヤマシイ。今、振り返って見ても、忘れられない思い出の街の一つとなっております。
 さて、このロンドンを『倫敦』と書くと、中高年のかたには、馴染みのある漢字です。しかし、今の簡略字での中国語ですと、《? 敦》。これじゃ、ちょっと困りますね。「え?」と首をひねることになりましょう。また、これを《敦 ?》と、ひっくり返して書くと、なんと「夫婦の営みをする」という意味になるのですから、中国語も、愉快です。「ロンドンでドンロンしよう!」なんていってしまえば、洒落にもなりましょうか……ちなみに、オリエント急行のキャビンで《敦 ?》(ドゥンルン)するのが、外国人の間で流行っている、と聞いたのは、パリ在住の友人からでした。車内での営みは、どうも夫婦だけのものとは限らないらしい。もっとも、あんなに揺れる列車では、オチオチ、眠っちゃおれないわけで、いっそ、一晩中、列車の揺れにあわせて、ユレ合っていたほうが、イイのかも、知れません。

 この稿では、カタカナで書く外来語の言葉、それも「花」の名にしぼって、とりあげてみます。筆者が、かつて目にした中国語の語学書には、花の名前を紹介したものが、あまり見当たらなかったなぁ、と、思いながら、いつの間にか、だいぶ時が過ぎていました。遅ればせながら、勉強開始です。せめて、自分の知る花くらい、中国語ででも、知っておきたい、という思いから、調べていくうちに、ひとつ、面白いことに、気がつきました。それは《?(ホん)》(紅)という字のつく花が、けっこうある、ということです。
 以下、中国語を識る読者のあなたは、どれくらい、知っていましょうか。
1《一(イィ) 品(ピン) ?(ホん)》2《状(ヅワん) 元(ユエン) ?(ホん)》3《雁(イエン) 来(ライ) ?(ホん)》4《月(ユエ) 月(ユエ) ?(ホん)》5《一(イィ) 串(チュワン) ?(ホん)》
6《岩(イエン) ?(ホん)》7《日(リィ) ?(ラン) ?(ホん)》8《映(イん) 山(シァン) ?(ホん)》9《一(イィ) 丈(ヅァん) ?(ホん)》

順に: 1「ポインセチア」2「オシロイバナ」3「ハゲイトウ」4「庚申バラ」5「サルビア」67「ベコニア」7「ゼラニウム」8「シナノサツキ」9「タチアオイ」
です。

 ただ、《?》というのは「赤い色」ばかりを意味するとは限らず、「よいこと」「人に好かれる」「人気がある」などの意味もあるので、中国語の花への命名も、中国らしさがあるように、思ったりもします。
 以下は、筆者が現在、かろうじて、識別できる花の名を中国語で何というのか、列記してみました。

   花の名前の例
1「アガバンサス」《紫(ヅ) 君(ジュン) 子(ヅ) ?(ラン)》《百(バイ) 子(ヅ) ?(リィエン)》
2「アスチルベ」《落(ルオ) 新(シン) ?(フー)》《?(ホん) 升(シォん) 麻(マァ)》
3「カーネーション」《香(シィヤん) 石(シィ) 竹(ヅゥ)》《康(カん) 乃(ナイ) 馨(シン)》
4「カンナ」《美(メイ) 人(レン) 蕉(ジィャオ)》《?(タン) ?(ホワ)》
5「グラジオラス」《唐(タん) 菖(チァん) 蒲(プゥ)》《?(ジィエン) ?(ラン)》
6「クレオメ」《醉(ゾエ) 蝶(ディエ) 花(ホワ)》《紫(ヅ) ?(ロん) ?(シュ)》
7「クレマチス」《?(ティエ) ?(シィエン) ?(リィエン)》《香(シィヤん) ?(リィエン)》
8「コスモス」《波(ボオ) 斯(ス) 菊(ジュ)》《秋(チィウ) ?(イん)》
9「ジキタリス」《毛(マオ) 地(ディ) 黄(ホワん)》《自(ヅゥ) 由(ヨウ) ?(ヅォん)》
10「シクラメン」《仙(シィエン) 客(クー) 来(ライ)》《兔(トゥ) 耳(アー) 花(ホワ)》
11「スイートピー」《香(シィヤん) 豌(ワン) 豆(ドウ)》《豌(ワン) 豆(ドウ) 花(ホワ)》
12「チューリップ」《郁(ユィ) 金(ジン) 香(シィヤん)》《洋(ヤん) 荷(ホー) 花(ホワ)》
13「トリトマ」《火(フオ) 炬(ジュ) 花(ホワ)》《?(ホん) 火(フオ) 棒(バん)》
14「ピラカンサ」《火(フオ) 辣(ラァ)》《?(ホん) ?(ヅ)》《火(フオ) 把(バァ) 果(グオ)》
15「ブーゲンビレア」《三(サン) 角(ジィヤオ) 花(ホワ)》《宝(バオ) 巾(ジュン)》《九(ジィウ) 重(チョん) 葛(グー)》
16「ブットレア」《七(チー) 叶(イエ) ?(シュウ)》《天(ティエン) ?(シィ) 栗(リィ)》
17「ヒヤシンス」《?(フォん) 信(シン) 子(ヅ)》《洋(ヤん) 水(シュイ) 仙(シィエン)》
18「モントブレチア」《火(フオ) 星(シん) 花(ホワ)》
19「ライラック」《紫(ヅウ) 丁(ディん) 香(シィヤン)》《情(チん) 客(クー)》
20「ランタナ」《五(ウウ) 色(スー) 梅(メイ)》《如(ルウ) 意(イィ) 草(ツァオ)》
 筆者の花の名探究は、これからが本番。しかし、目標の、花が落ちて、葉だけになった草花の名前をいい当てることができるまでには、まだまだ、当分、時間がかかりそうです。

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