中国の人口は、今や、約13億とも13.45億とも、いわれています。毎年、約1500万人ぐらいの増加率はある、ということらしいので、北京オリンピックのある2008年には、13.9億にも達してしまう勘定になり、中国の人口問題は、甚だ深刻といえます。人口増加率が食糧増産率を上回る、というこの人口の膨張は、中国の経済・社会発展に大きな負担となって、人々の生活を圧迫してくると思われます。また、この13億もの民のうち、80%は農村人口であることが、バースコントロール政策を推進していく上でネックになっている、という事実にも注目してよいですね。つまり、農村では、農作業の人手を子供に頼ること、老後を子に面倒をみてもらうことなど、伝統的な子育ての観念がバースコントロールを勧める中で、少なからず障害になっていた、と聞くからです。960万平方キロもの広い面積を持つ中国とはいえ、その三分の二は、人も住みにくい高山地区と高原丘陵地帯ですから、おのずと、街に人が集中してしまいます。こうしてみると、中国は、まったく狭くて、身動きがとれない、という謂いも、案外、現実をいいあてているのかもしれません。しかし、現在の大都市の建設ラッシュは、いうまでもなく、地方の小さな街へ足を運んでみても、あの熱気に満ちた屋台やレストラン、月ごとに変っていく街並み、こうした活気は、いったいどこから来るのでしょうか。
「溢れるほど人が多いのは患いだね。中国はあまりに窮屈で身動きがとれやしない!」
という中国の友人が口にしたこの『悲鳴』は、どうしても、筆者には、悲鳴には聞こえませんでした。
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