深沢俊太郎

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Shuntaro Fukasawa
新中国いろはたとえ歌留多


「新・新中国いろはたとえ歌留多」
(連載/月二回/毎月10日と24日更新)
No.5 2005年4月24日
新中国いろはたとえ歌留多:連載No.5
 我が俗諺に「褒める人には油断すな」というのがあります。中国では少し古い表現ですが、論語学而に出てくる「巧言令色鮮(すくな)し仁」という句がこれにあたりましょうか。お世辞をペラペラならべたてる人には親身になって心配してくれる人はいないという意味です。商売上では標題のような俗諺のほかに、「褒める人に買った例(ためし)なし」というのがありますので心しておきましょう。ただ、商人たるもの、どんなに人からおだてられ、世辞をいわれ、褒められようと、それらを爽やかに受けかわし、腹での思いをおくびにも出さないしたたかさも必要らしい。しかし、やはりペラペラ屋さんには要注意です。逆にズケズケとケチをつけたり、ああでもないこうでもないと文句を言う御仁に対しては一目おかねばならないというのが次にあげる俚諺です。
《褒(バオ) ?(ビィエン) 是(シィ) ?(マイ) 主(ヅゥ),喝(ホー) 采(ツァイ) 是(シィ) ?(シィエン) 人(レン)》
「品物にあれこれとケチをつける人が実は買ってくれる人で、喝采する人は通りすがりの無用の人だ」
これは、「なにかと文句をいってくれる人が自分のためにもなるものだ」ということを意味します。
もうひとつ類似の俚諺を書いておきましょう。
《褒(バオ) ?(ビィエン) 是(シィ) ?(マイ) 主(ヅゥ),?(ウェン) 价(ジィヤ) 有(ヨウ) 成(チォん) 望(ワん)》
「アレコレとやかく言う人が実は買ってくれる人で、うるさく価格を尋ねてくる時は成約の希望がもてるものだ」

 中国の人は、率直にものを言う人を好むように筆者には思えます。むしろそんな人間をどうも中国の人は尊敬すらするように思えてなりません。これから中国の人々とつきあいを始めようというお方は、遠慮することなく、ストレートに自分の思ったこと、考えたことをズバズバ言ってみることです。次元こそ違いますが、たとえば、相手の着ている服を指して、「それ幾らした?」とは日本人はナカナカいえません。生活のいたるところで中国の人はものの値段を臆面もなく聞いてきます。このあたりから我々日本人は中国人に対するズケズケ感を養っていくのもイイかなとおもいますが如何でしょう。それにしても、感心させられるのは、中国の男はおおむね米、野菜、豆など日常生活必需品類の値段をよく知っていることです。

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