深沢俊太郎

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Shuntaro Fukasawa
新中国いろはたとえ歌留多


「新・新中国いろはたとえ歌留多」
(連載/月二回/毎月10日と24日更新)
No.37 2006年8月24日
新中国いろはたとえ歌留多:連載No.37
 中国語と接するようになって、四十年以上も経ち、また、中国と実際に商売をやるようになって、三十年以上も経ち、今もなお、どうやら、続けている筆者ですが、商売を進めるにあたっては、知友Yさんのものの見方や、考え方を実践していること、それと、商売について語るときは、きまって、このYさんのかつて語った話の受け売りの多いことに気がつきます。
「深沢さん、やっぱりなんといってもビジネスマンは人に好かれなきゃダメだね。」
というのも、それです。これを聞いたその日以来、わたしは、後輩たちに、自然と使う言葉の一つとなっていました。ずっと後になってからのことですが、我が日本の俗諺の中に、商売繁盛の三要素として、『一愛顧、二金、三才能』というのがあるのを見つけ、Yさんの言葉をあらためて、思い起こし、噛みしめたものでした。金や才能は二の次で、なんといっても「人から愛され、贔屓(ひいき)にされること」が、商人にとって、一番必要なところ、という箴言(しんげん)は、正しく、この先も、ずっと変わることのない道理、と、思います。ただ、これは、その人の持って生れた天性的なものによるところが大きい、と、思うので、如何ともしがたいところがあります。しかし、上に立つ人は、人を起用する際に、ここのところを留意しておくのは、とても大切なことのように思います。
 人の起用で悩んだ後、次に来るのは、金です。いつも足りなくて、困るのは、このお金、です。儲け話は、そんなにあるものではない、ということは、周知の事実ですから、出費は極力、オサえる! 十分、セツヤクする! こと。これが、商人の守らねばならぬコト、と、つくづく思うこのごろです。
《少(シャオ) 用(ヨん) 当(ダん) 多(ドゥオ) ?(ヅワン)》(南京)
「少なく使うことが、多く儲けることに相当する。」

《会(ホエ) 吃(チィ) 不(ブ) 如(ルゥ) 会(ホエ) 做(ズオ),会(ホエ) ?(ヅワン) 不(ブ) 如(ルゥ) 会(ホエ) ?(ジィエ)》(浙江)
「食べて味が分かるといっても、料理を作ることができるというのには負ける。稼ぐことが出来るといっても、節約することの出来るのというのには負けるものだ。」(節約は稼ぎに勝る)

《大(ダァ) 海(ハイ) 不(ブ) 禁(ジン) 漏(ロウ) 卮(ヂィ)》(「醒世姻縁伝」第九十四回)
「大海も漏れ盃には耐えず。」
しかし、箴言を守れないもの常のことです。

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